寄生虫の病気
2008年01月27日
耳ダニ感染症
耳ダニ(ミミヒゼンダニ)は、犬や猫のような肉食動物の耳に寄生する小さなダニで、拾ってきたばかりの子犬・仔猫に寄生している事が多いようです。そのほかフェレットにも多く見られます。
原因耳ダニ感染症は、ミミヒゼンダニ(耳ダニ)という0.2〜0.5mmほどの小さなダニが寄生することで発症します。
耳ダニは高温多湿の環境を好み、一度耳に寄生するとそこに定住して、耳の分泌物や耳垢などを食べて成長し、卵を産みつけて繁殖します。
卵は、条件がよければ2日〜4日で孵化して幼虫になります。幼虫は脱皮を繰り返し第1若ダニから第2若ダニを経て、その後成虫となります。卵から成虫になるまでの期間は約3週間で、成虫の寿命は約2ヶ月間といわれています。
耳ダニの繁殖能力はとても旺盛で、多頭飼いの場合は、1頭に耳ダニが寄生していれば、必ずと言っていいほど一緒に飼っているペットにも感染しています。
子犬の頃に母犬から感染するケースが多いようですが、散歩中に耳ダニに感染している動物と接触した場合や、飼い主が洋服や靴などにくっつけて卵や幼虫を持ち帰ってしまう場合も感染の原因になります。
症状激しい痒みがあるため、しきりに頭を振ったり後ろ足で耳を引っかいたり、耳を床や壁にこすり付けるようなしぐさをします。その為に、傷ができて皮膚炎になったり、外耳道に膿がたまり二次的に細菌感染を起こしてひどい外耳炎になることがあります。
また、黒褐色の耳垢が出るのが特徴です。
垂れ耳の犬の場合、飼い主の発見が遅れて症状が慢性化する原因になります。
治療法まず耳洗浄などで耳垢をキレイに取って、ダニをある程度駆除します。その後で、殺虫剤を使ってダニを駆除します。殺虫剤で成ダニは死滅しますが、卵は死なないので、卵が孵化する頃にまた駆除をします(一定間隔で何回か)。
症状が良くなったからといって投薬を中止すると、耳の中や生活環境中に残る卵から生まれた幼ダニ・成ダニがまた寄生して再発してしまうので、必ず根絶するまで治療を続けましょう(大体、1ヶ月くらい)。
二次的な細菌感染がある場合は、抗生物質を併用して治療します。
多頭飼いの場合は、同居の犬や猫も確認し、感染している場合は一緒に治療を行います。
予防法早期発見、早期治療を心がけましょう。
たれ耳の犬種は特にかかりやすいので、よくチェックしてあげてください。
2008年01月16日
バベシア症
この病気は、マダニによって媒介されるバベシア原虫によって引き起こされる溶血性の病気です。
治療が遅れると、重度の貧血で死に至ることもあります。
原因マダニを中間宿主としているバベシア原虫が、バベシアに感染したマダニが犬について吸血する際に、その唾液と一緒に血管内に侵入して感染します。また、母犬から子犬へ胎盤を介しての感染もあります。
犬の赤血球内に寄生したバベシアは、血球内成分を栄養源として発育し、分裂を繰り返して赤血球を破壊(溶血)します。
世界的には熱帯・亜熱帯地域での発生が多く、国内では関西以西の病気と考えられていましたが、感染地域の広がりと、感染した犬の移動等に伴い現在では全国で発生が認められるようになっています。
バベシア原虫がダニからを犬に移るのに、36〜48時間位かかると言われています。
症状バベシア症になると、赤血球が壊されて溶血性の貧血が起こります。そのため、元気・食欲がなくなり、歩行時にふらついたり、運動にも行きたがりません。
発熱がある場合も多く、貧血のため口の中や目の結膜は白っぽくなります。また、破壊された赤血球の色素が尿中に出るため、尿が非常に濃い色になります。
貧血がさらに重くなると、肝臓や腎臓の機能障害を起こして黄疸が現れ、体重が落ち、やがて立ち上がることも難しくなります。
治療が遅れると、重度の貧血で死に至ることもあります。
治療法現在、バベシアを完全に除去できる治療薬はありません。
そのため、治療は投薬でバベシアの増殖を少しでも抑え、症状を緩和させて犬の体力回復を待つという方法を採ります。
抗菌剤や抗生物質、抗原虫剤などを使いますが、有効な抗原虫剤には強い副作用があるため、投薬は慎重に行う必要があります。
重度の貧血がある場合は輸血や点滴なども使用します
また、治ったように見えても、無症状のまま原虫が体内に潜んでいる場合(無症候性のキャリアー)も多く、体力や免疫力が低下すれば再発することもあります
予防法バベシア症の感染を予防するワクチンはまだありませんし、確実な治療方法もないため、マダニの予防が最大の防御策となります
スポットタイプの駆除剤などで、定期的にマダニの予防をしましょう。
また、万が一マダニが付いてしまっても、バベシア原虫はどこにでもいる病原体ではありませんし、犬自身の抵抗力に依り必ず発症するわけではないので、慌てずに確実に駆除しましょう。
2008年01月14日
マダニ
愛犬とのアウトドアで訪れる山・川・森や自然の残る気持ちのいいお散歩コースの草むらで、宿主となる動物が通過するのをひっそりと待ち受けている吸血鬼!それが外部寄生虫のひとつ、マダニです。
犬だけでなく人間にもつきますし、単に血を吸うだけでなく、他の病原菌の媒介ともなっています。
原因マダニは、2〜3ミリ位の8本足の小さな虫で、犬・猫だけでなく人間を含めた様々な哺乳類や鳥類に付着し、皮膚の柔らかい部分に口を差し込んで吸血します。
犬では、目の縁の毛のない部分や耳の裏などの部分が狙われます。
マダニは、吸血する時に口から接着剤の働きをする物質を分泌してガッチリ固定してしまうので、一度噛まれてしまうと容易には抜けません。
付着したダニは、初めはチョロチョロとしか血液を吸いません。2週間程そうやって少しずつ血を吸ったマダニは、最後の数日に一気に多量に吸血し、その体重は初めの200倍にもなります。腹いっぱいになったマダニは、勝手にポロリと動物から落っこちてしまいます。
マダニが吸血するときには唾液を皮膚に出していて、これには周囲の細胞を溶かして、血液を凝固させなくする作用があります。そして、このときに宿主の血液中にあろ様々な病原体を一緒に吸い込み、次にまた別の動物を吸血するときに唾液中にその病原体を一緒に排出します。このようにしてマダニは、さまざまな病気を媒介しているのです。
症状マダニが多数寄生すると、貧血を起こすことがあります。刺された部位が強いかゆみをもつ皮膚炎を起こして腫れることも多いです。
特に、無理やり外してマダニの頭がちぎれて皮膚の中に残ってしまった場合、4週間位腫れてしまいます。
マダニが媒介するバベシア原虫が原因となる「バベシア症」となった場合には、致命的な貧血を起こします。
治療法マダニを取り除くには、体がちぎれて頭部が皮膚に残らないようにピンセットでゆっくり引き抜くか、外用薬による駆虫が有効です。
その後、噛まれた後を消毒します。
マダニの血液には、様々な病原体がいるので、必ず手袋を着用して作業を行います。
抜く時に膨らんだ胴体部分を圧迫すると、病原体が犬の体内に入ることもあるのでお腹をもたないようにしましょう。
予防法最近では、首のあたりに液薬を数滴落とすだけの滴下タイプの薬が人気です。ワンちゃんにストレスを与えることなく投薬でき、1ヶ月の間はダニが付着しても勝手に死ぬというものです。
他にも様々な予防薬がありますが、まずはかかりつけの獣医さんに相談し、愛犬に一番あった薬を使用しましょう。
また、山や林などマダニの生息していそうな所へ出かけた場合、お散歩の後のブラッシングを念入りにすることも大切です。
2008年01月13日
犬回虫・犬小回虫
犬回虫は、うすいピンク色の7〜15センチ位のミミズのような寄生虫です。犬小回虫は、それよりは短い寄生虫ですが、殆んど見分けはつきません。
猫に寄生する回虫は、猫回虫といいます。
ペットに口を舐められたりすることで、人間にも感染します。
原因宿主(寄生虫が寄生をする生体のこと)のお腹に寄生する回虫は、毎日多量の卵を生み、卵は糞便と一緒に排出されます。排出されたばかりの虫卵には感染力がなく、外界で10〜14日ほど発育して初めて感染力を持つようになります。
散歩の途中などに、その糞便の匂いを嗅いだり触れたりたりすることで卵が犬の体につき、それが口に入って感染します。
子犬が経口感染した犬回虫の卵は、腸内で孵化し子虫となり、体内を移動しながら最終的に腸で成虫になります。
抵抗力のある成犬が経口感染した場合は、腸内で孵化し子虫とはなりますが、成虫とはならずに、全身の臓器や筋肉の中で被嚢幼虫と呼ばれる休眠状態となります。
この状態のメス犬が妊娠した場合、妊娠6週目ごろから休眠していた被嚢幼虫が再び動きだして胎盤を介して胎仔へ感染します。そして、生後も母乳を介して新生仔への感染源となります。
犬小回虫の卵は、孵化し子虫となっても体内を移行せずに腸内で成虫となるので、成犬の腸内にも寄生しています。
症状寄生する回虫が少数の場合はほとんど症状がありませんが、多数になると発育不良となったり、お腹が膨れたり、嘔吐をしたり、腹痛や粘液性の下痢、貧血などの症状が出ます。
また、回虫の塊が腸に詰まってしまうことで、腸閉塞が起きることがあります。
犬は犬回虫に対して年齢抵抗性という性質を持ち、生後6ヶ月未満では症状が重くなりますが、それ以後は一般に症状は軽くすみます。
犬小回虫には年齢抵抗性はなく、全ての年齢で症状を現します。
病害性は弱いのですが、多数奇生時には腸閉塞が起きることがあります。
治療法駆虫薬を投与しまが、体内移行中のものには効果のない薬もありますので、1回だけでなく、2〜3週間後に再検査し、必要なら2回目の投与をします。
体力の回復のために、対処療法を行う場合もあります。
予防法回虫が産卵に至るまでの生後3週間までに、適切な駆虫を仔犬に行いましょう。
回虫卵が感染力を持つ前に、糞便はすぐに処分しましょう。また、散歩中に落ちている糞などに触らせないようにしましょう。
子犬に人の口を舐めさせないようにしましょう。
人間に感染した場合人(特に小児)へは、ペットから、または犬猫が排便する公園の砂場や川岸、草むらにある虫卵を、何らかの形で経口摂取した場合に感染します。
また、子犬に口を舐められたりした時に感染することもあります。
体に入った回虫の卵は腸内で孵化しますが、人は回虫にとって本来の宿主ではないため、肝臓、リンパ節、肺、脳、などあらゆる組織に入り込み、動き回る幼虫により幼虫内臓移行症という症状がおきます。この場合の症状は、発熱、腹部痛、倦怠感などで、脳に迷入した場合には、痙攣やまれではありますが突然死の原因にもなります。
その後、幼虫は宿主の免疫反応により、肝臓を主をとした諸臓器として被嚢幼虫という休眠状態となります。
2008年01月11日
フィラリア
春が来て、暖かくなってきたなとおもったら、フィラリアの予防を始める季節です。
フィラリア(犬糸状虫)は、蚊が媒介する心臓の寄生虫です。蚊が活動を始める1ヶ月位前に、予防薬の投与を始める事が大事です。
原因フィラリア症は、フィラリア(犬糸状虫)の成虫が右心室、肺動脈に寄生することで、循環器障害、呼吸障害、肝腎疾患等を起こす病気です。
通常「フィラリアになる」というのは、フィラリアの成虫が心臓に住み着いてしまうことを言います。
このフィラリアは、すでに感染した犬の心臓や肺動脈に寄生する成虫が産んだ幼虫(ミクロフィラリア)が、その犬の血を吸った蚊の体の中で成長して感染能力を持つ幼虫になり、次に蚊が何処かの犬の血を吸うと、幼虫は蚊の唾液管から犬の表皮に取り付き、吸い孔から犬の皮下に場所を移動します(ミクロフィラリアそのものは、一度蚊の体内での脱皮を経過しないと成虫にはなれません)。
蚊から犬の体に引っ越してきたフィラリアの幼虫(第三期幼虫)は、脱皮・成長を繰り返しながら今度は血管に侵入し、成虫になる頃には心臓にたどり着き、そこを巣として子供(ミクロフィラリア)を産み始めるのです(感染後、約半年)。
そして、そこで産まれた幼虫が血と共に蚊に吸われて……といった具合に、フィラリアは広がっていきます。
症状血液の循環に一番大切な心臓に寄生虫が付くのですから、心臓に大きな負担がかかり当然弱ってきます。
しかし、寄生虫の数が少ないときは、無症状だったり軽い咳くらいで気付かないことも多いようです。
数が増えるに従い咳が多く見られるようになり、散歩・運動をしたがらない、食欲不振、体重の減少などの症状がでて来ます。散歩中に『ゲーッ ゲーッ』と吐き出すような、喉に何かつまったような動作をするようになったらかなり進行しています。
安静時にこのような動作が出るようであれば重症です。
症状が進むと、呼吸器以外にも循環障害から肝臓に負担がかかったり、腎臓が悪くなったりと様々な症状が出て来ます。そうなれば、呼吸困難に陥ったりする他、腹や肺に水が溜まったり、血尿が出たりして、死亡することもあります。
症状は感染した夏に出てくるのではなく、半年ほど経った寒い時期に出てきます。
治療法フィラリア症かどうかは、血液の抗原検査によって診断します。採血後10分ほどですぐに診断できます。
治療には成虫駆虫剤を使用しますが、心臓内に寄生する虫なので、腸内の寄生虫のように駆除した虫が死体が便と一緒に出るというわけにはいきません。
ですから、死んだ虫が肺の血管を詰まらせることもありますので、駆除後最低でも1ヶ月は注意が必要ですし、寄生している成虫の量によっては、肺動脈を詰まらせて肺機能が停止して命にかかわるケースもあります。そこで、駆虫剤の量を減らし、何回かに分けて投与して、少しずつ親虫を退治する方法が採用されています。
咳などがみられる場合は強心剤、利尿剤、降圧剤などを投与します。
手術で心臓からフィラリアを直接取り除く処置もありますが、犬の体に大きな負担のかかり、麻酔で命を落としてしまうこともある大変危険な手術です。
重度のフィラリア症の場合は、駆虫に成功しても心不全が残ります。肺の血管の蛇行と炎症から咳が消えない犬も多く、生涯にわたって心臓に負担の掛からない静かな生活が必要となったりします。
予防法蚊が活動を始める1ヶ月前から、活動停止期の1ヶ月後まで、毎月一回、予防薬を飲ませるだけで簡単に予防できます。
錠剤、顆粒、チュアブルと剤型も豊富です。最近では、月に一度犬の首筋にスポット・オンタイプで投薬する(ノミ駆除も兼ねる)予防薬も出来ました。これなら、犬がいったん口に入れた予防薬をこっそり吐き出してしまう(意外と多いようです)、といったケースも防ぐことができます。年に1度注射をする、という薬もありますが副作用が強いので全ての犬にむくわけではありません。
一番重要なのは、すでに感染している犬に予防薬を投与した場合重大な副作用が出るという点です。すでに心臓に大量に寄生した成虫が予防薬で死ぬことによって、犬自体が死んでしまうこともあります。毎年予防はしていても、万が一、前年投薬を早めに止めてしまった後に蚊に刺されてしまうと感染してしまっています。
そのため、毎年投薬前に必ず血液検査をしてください。







