腫瘍・癌の病気

2008年03月17日

リンパ腫

犬のリンパ腫とは


 リンパ腫は、体の免疫をつかさどるリンパ球の悪性腫瘍で、血液のがんの一種です。犬の場合は、下顎、肩前、腋窩、膝窩(ひざのうしろ)などのリンパ節が腫れる「多中心型リンパ腫」が大半です。


原因

 リンパ腫が発症する原因は解明されていませんが、犬種ではゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ボクサー、バセット・ハウンド、セント・バーナード、ジャーマン・シェパードなどがリンパ腫になりやすい傾向があります。このため、遺伝的な要因も疑われています。

 犬の場合、約80%を占める「多中心型リンパ腫」の他、胸腺のリンパ節がはれる「縦隔型リンパ腫」、腸管などのお腹のリンパ節がはれる「消化器型リンパ腫」、「皮膚型リンパ腫」があります。


症状

 「多中心型リンパ腫」の場合、初期段階(単一のリンパ節に発症)では、リンパ節の腫れ以外無症状なことも多いようですが、複数のリンパ節に波及するにしたがって、次第に筋力の低下、抑鬱、食欲不振、嘔吐、下痢、貧血などの症状がみられるようになります。末期においては悪液質、気道閉塞、発熱、虚脱などを起こすようになります。

 「縦隔型リンパ腫」の場合には、腫瘍の物理的影響により呼吸困難やせき、チアノーゼなどが見られます。

 「消化器型リンパ腫」の場合には、下痢や嘔吐、体重減少、吸収不良などの胃腸症状が中心などが見られます。腸間膜リンパ節、肝臓、脾臓が侵されます.

 「皮膚型リンパ腫」の場合では、皮膚に大小の丘疹(腫瘤)や赤い斑点・脱毛などが見られます。皮膚に出来る他の腫瘍や皮膚炎などと見分けがつきにくく、治っても再発することがあるので注意が必要です。


治療法

 リンパ節の生検によって確定診断を行うだけでなく、身体検査、血液検査、尿検査、細胞診、骨髄診、画像診断など様々な検査により、病気に侵されているリンパ節の範囲を把握します。

 初期の孤立性のリンパ腫の場合は、外科手術を選択することもありますが、通常リンパ腫の治療は抗がん剤による化学療法が効果的とされています。しかし、抗がん剤は副作用が強いため、リンパ腫のタイプや症状をよく検査したうえで、使用する薬剤を決定します。抗がん剤によって的確な治療を行えば、リンパ腫のはれはなくなり、健康な状態で延命することができます。

 炭水化物を豊富に含む食事を避け、かわりに高脂肪の食事とる食事療法を行う場合もあります。


予防法

 原因自体が解明されていないため、予防は困難です。
 従って、早期発見と早期治療が何より大切です。愛犬が6〜7歳の中高齢犬となったら、日頃からあごやわきの下、足のつけ根、膝の後ろなどのリンパ節に腫れやしこりがないかチェックをするようにしましょう。


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2008年03月15日

骨肉腫

犬の骨肉腫とは


 骨に出来る腫瘍は、悪性肉腫が多く(良性の骨腫の場合もあります)、肺などに転移すると死に至る場合もあります。
 大型から超大型犬に発生が多く見られます。


原因

 犬で最も多くみられる原発性の骨腫瘍です。骨格由来の悪性腫瘍の約85%を占め、多くの場合四肢に発生しますが(約75%)、その他の骨格(下顎、上顎、脊椎、頭蓋骨、肋骨、鼻腔、骨盤等)に出来ることもあります。

 骨肉腫が発生する原因はまだ不明とされていますが、乳がん・肺がん・前立腺がんが骨に転移する場合もあるようです。


症状

 多くの場合四肢に発生しますが、その場合激しい痛みが生じて、足を引きずるなどの歩行の異常や、足が腫れるなどの症状が現れます。外傷や捻挫がないのに足をひきずっている場合は、この病気を疑ったほうがいいかもしれません。
 その他の部位に発生する骨肉腫の場合は、その部位毎に症状が異なります。

 骨肉腫は進行がとても速いうえに転移しやすく、発見された時点ですでに、肺など他の部位に転移していることがよくあります。


治療法

 病歴、身体検査、レントゲン検査により仮診断します。最終的な確定診断は骨生検により行われます。
 また、全身への転移の徴候を検査することも重要です。

 治療は、通常外科手術により脚の切断と化学療法が行われます。
 早期に発見・治療が出来れば完治することもありますが、骨肉種は再発・転移が多いため、すでにある程度癌が進行していた場合、断脚手術のみの治療では1年後の生存はあまり望めません。ただし、手術後に抗がん剤の投与や放射線治療などを続けた場合は生存確率が上がります。
 

予防法

 骨肉腫の予防は難しいため、早期発見・早期治療を心がけます。


かかりやすい犬

 原因ははっきりしませんが、ゴールデン・レトリーバー、グレート・ピレニーズ、ラブラドール・レトリーバー、シベリアン・ハスキーなどの大型・超大型犬に多く発生します。
 また、年齢的には7歳前後の犬によく発生しますが、2歳頃の犬に発症することもあります。


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2008年03月14日

精巣腫瘍

犬の精巣腫瘍とは


 雄の睾丸に出来る腫瘍話です。人間より犬の方が発生率が高く、5〜10%の割合で発生するといわれてます。
 精細胞腫、セルトリー細胞腫、間細胞腫などの種類があります。


原因

 精細胞腫は精子を作る精母細胞の腫瘍化したものです。

 セルトリー細胞腫は、セルトリー細胞の腫瘍です。セルトリー細胞は、精子を作る細胞に栄養を供給したり、女性ホルモンのエストロジェンというホルモンを分泌しています。

 間質細胞腫は、間細胞の腫瘍です。間細胞は、精巣を構成する細胞の一つで、精細管という精子を作る管と管の間を埋めている細胞で、男性ホルモンを放出する細胞です。

 原因ははっきりと分りませんが、高齢の(6歳以上)の去勢をしていない雄に多く見られます。
 また、「陰睾」でお腹の中に睾丸がある場合、腫瘍化する割合は通常よりずっと高くなります。

 
症状

 特に痛みなどは無いようですが、どの種類の精巣腫瘍でも、精巣が腫れて腹腔内で大きくなると、食欲の減退・腹囲膨満などが起ります。

 また腫瘍の細胞が分泌する女性ホルモンのせいで、雌性化という症状(乳房が雌のようになったり、他の雄犬が発情期の雌に対するようなそぶりでよってきたりする)がみられます。脱毛や痒み、前立腺も腫れが見られることもあります。
 また、骨髄での造血がで出来なくなるなどの重い症状が出ることもあります。

 大体は良性ですが、平均5〜20%の割合で悪性腫瘍です。まれに他の臓器に転移する事もあります。


治療法

 腫瘍は良性の場合が多いのですが、確定診断は「病理組織検査」によって行われます。
 治療は、外科的手術により精巣腫瘍の摘出(去勢)をします。
 また、脱毛がひどいときには、それが改善されるまで週1回の間隔でホルモン剤(男性ホルモン)を投与するときもあります。


予防法

 去勢手術で予防が出来る病気です。
 特に、「陰睾」の場合は腫瘍化しやすいので、早めに手術を受けましょう。


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2008年03月03日

肛門周囲腺腫

犬の肛門周囲腺腫とは


 オシリの病気で、肛門嚢炎の次に多く見られるのが肛門周囲腺腫です。
 肛門の周囲にある分泌腺に腫瘍が出来る病気で、主に去勢をしていない高齢の雄に見られます。


原因

 去勢手術をしていない高齢の雄犬に多く見られるため(発生率は雌の10倍程)、
肛門周囲腺腫の発生には男性ホルモンが関係していると考えられています。
 稀に、避妊手術を済ませた雌にも発生することがあります。
 雄の肛門周囲腺腫の場合は良性腫瘍が多く、雌の場合は悪性の肛門周囲腺癌(がん)であることが多いようです。


症状

 肛門周囲腺腫が発生すると、肛門の周囲や尾の付け根などに硬いしこり(腫瘍)ができます。
 まだ腫瘍自体が小さい初期の場合無症状なこともありますが、しこりがある程度大きくなると、犬がお尻を気にして舐めたり、地面に擦り付けたりすることで出血や化膿がみられ、潰瘍ができることもあります。さらに大きくなると、肛門自体を圧迫して排便(排尿)が困難になることもあります。

 また、悪性の肛門周囲腺癌では、周囲のリンパ節、腹腔内臓器、脊椎などに転移して、重篤な症状が出ることもあります。


治療法

 まず、肛門周囲にできたしこりの細胞検査して診断します。
 その結果肛門周囲腺の腫瘍が疑われた場合、腫瘍を摘出する外科手術を行います。
 去勢していない雄犬の場合は、同時に去勢手術も行うことで再発を予防します。
 しこりが肛門全体に発生している状態で、全て取りきれない場合、去勢手術のみを行って、腫瘍が自然に小さくなるのを待つ場合もあります。また、状況により化学療法や放射線療法などを行います。

 しこりが悪性の腺癌であった場合は、去勢による効果は期待できません


予防法

 去勢手術によって予防が期待できる病気です。
 若いうちに去勢しておけば、肛門周囲腺腫になる確率は低くなりますし、病気になってからや高齢になってからの手術よりも、リスクも少なくて済みます。


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2008年02月13日

乳腺腫瘍

犬の乳腺腫瘍とは



 乳腺腫瘍は、雌犬の全腫瘍の約52%といわれ、発生する確率のとても高い腫瘍病気です。 稀に、雄犬でもかかります。
 良性・悪性があり、悪性の腫瘍が「乳癌」といわれます。
 良性・悪性の発生の比率は約50%ずつです(猫では、80〜85%が乳癌と言われています)。


原因

 腫瘍が出来る原因は一つではありませんが、乳腺腫瘍の発生の原因には、女性ホルモンが深く関係していると考えられます。
 
 アメリカの研究報告によると、1回目の発情が始まる前に避妊手術をした雌犬が、将来乳腺腫瘍になる確率は、避妊手術をしていない雌犬と比較すると約0.5% 。2回目の発情が来る前に避妊手術をした場合だと8% 。
2回目発情の後に避妊手術をした場合だと26% となっています。また、2歳半以上で避妊手術をした場合では、避妊手術を受けていない雌犬とほぼ変化はないとのことです。
 一般的に、メス犬が五歳以上になると乳腺腫瘍を発症しやすくなりますが、遺伝的要素はないと言われています。


症状

 人間の乳腺腫瘍と同じく、乳房またはその付近の皮下に様々な大きさの“しこり”が見られます。尾側の乳腺に多く発生するようです。   
 痛みがあまり無い為、しこりに気が付かず発見が遅れることがあります。

 病気の進行の速さは様々です。通常、大きさが三センチ以内で、他の部位に転移していない初期の状態を第1期。体のあちこちに転移して、様々な「がん症状」が現れ、末期症状を示す最終段階が第4期と、進行度が分けられています。
 初期には特に目立った症状は見られませんが、症状が進むと元気・食欲ともなくなってきます。末期になると、細菌の感染などにより患部が潰瘍をおこし出血したり、腫瘤が自潰して化膿し悪臭を放ったりするのでわかりますが、そうなっては手遅れになってしまいます。

 
治療法

 まずは触診をして、腫瘍の大きさ・数・リンパ節の腫れなどを調べ、次に転移があるかどうかレントゲン検査をします。
 また悪性、良性の判定の為に腫瘍の一部を取り「病理組織検査」を行ないます。

 治療は、一般的には外科的療法(切除手術)が行われます。
 他に放射線治療、抗がん剤治療、免疫療法などいくつかの療法があり、腫瘍の種類や発現部位、転移の状況などによって、適切な手段を組み合わせて実施していくことになります。

 第1期(初期)の場合は、切除手術と放射線その他治療の併用などで根治率も高くなりますが、進行するに従い根治は難しく、再発・転移の可能性も高くなります。しかし、その場合でも、適切な治療を施すことで症状の悪化を抑え、寿命も確実に伸ハばすことが出来ます。
 たとえ末期となっていても、適切な対症療法を施すことで、残された命をより苦痛が少なく、より楽に過ごすことが可能となります。


予防法

 出来れば1回目の発情の前、遅くとも生後1〜2年のあいだに避妊手術(卵巣子宮の全摘出手術)をするのが効果的です。
 乳腺腫瘍を早期発見するためには、ブラッシングやシャンプーの際に胸・腋の下から下腹部・内股まで、丁寧になでてあげて、小さなシコリができていないかどうかチェックしてあげましょう。


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