脳・神経系の病気
2008年02月19日
水頭症
水頭症とは、頭蓋骨と脳の間あるいは脳室に脳脊髄液という液体が異常に溜まってしまい、そのために脳圧が高まることで発症する病気です。
原因頭蓋骨の内部には脳室と呼ばれる空間があり、脳脊髄液と呼ばれる透明な液体で満たされています。通常、脳脊髄液は脳室で一定量作られ、脳の表面を流れて脳の静脈に吸収されることによって、常に一定の脳圧が保たれています。
水頭症は、何らかの原因で脳脊髄液量の分泌と吸収のバランスが崩れたり流れが悪くなったりすることによって、頭蓋骨と脳の間あるいは脳室に脳脊髄液が異常に溜まり、そのために脳室が拡張して脳神経を圧迫することにより発症します。
脳脊髄液が溜まってしまう原因は、多くの場合遺伝的要因が考えられますが、他にもビタミン欠乏・感染症・外傷・脳炎・腫瘍などが原因である場合もあります。
症状圧迫されて障害を受けた脳の場所によって、症状は異なり、元気がなくなる、嗜眠(眠りすぎる状態)、歩行障害や痙攣やてんかんの発作、意識障害、痴呆、旋回運動(同じ場所をくるくると歩き回る)、斜視や視覚障害などの脳神経症状が、単独で、あるいは重なって発症しやすくなります。
同様の症状は、他の疾患(先天性の脳神経疾患、てんかん、脳炎、脳腫瘍、肝性脳症や中毒など)でも見られるので、診断は症状と各種検査結果から総合的に行われます。
また、特徴的な症状としては、頭に丸い腫れが見られ、頭の形が明らかに異常なときもあります。
大泉門が完全に閉じていないので、頭頂部を触ってみると隙間が開いているのが分かります。
治療法血液検査、レントゲン検査、脳波検査、超音波検査、CT検査、MRI検査などを行い診断をします。また、通常の身体検査で大泉門が開いていると、水頭症が疑われることもあります。
治療は、投薬による内科療法と、外科療法があります。
内科的治療では、脳圧を下げるために、副腎皮質ホルモンや降圧利尿薬を投与する対症療法がとられます。副腎皮質ホルモンは、脳脊髄液が作られるのを抑えて脳脊髄液の吸収を促進します。利尿剤によって体の水分は尿として捨てられるので、脳脊髄液の水分も減っていきます。
また、痙攣発作が起こっていれば、抗痙攣剤も投与します。
これらの薬の投与により症状は緩和しますが、脳脊髄液が過剰にたまる原因を取り除く根本治療ではありません。そのため、症状が落ち着いたからといって、かってに投薬を中止すれば、リバウンドが起きて、かえって症状が重症化することもあります。
外科療法には、頭に針を直接刺して脳脊髄液を体外に抜いてしまう方法と、頭蓋骨に穴を開けて脳室に管を挿入する手術があります。この手術では、脳室に入れた管の一方を「腹腔」に挿入し、余分な脳脊髄液を再び自分の体内に戻します。
治療法は様々ありますが、何れも根治治療ではなく症状を抑えたり進行を抑えたりする治療ですので、一般的には徐々に病気が進行し、状態も悪くなって最終的には死亡してしまうことが多い病気です。
予防法水頭症の原因は、殆んどが予防が難しいものです。
そのため、特に子犬の頃は普段の動作に気をつけて、歩行障害や意識障害、視覚障害、痙攣発作などの症状が少しでも疑われたら、できるだけ早く動物病院に連れて行き、早期に診断・治療を行うことが大切です。
かかりやすい犬チワワ、M・ダックスフンド、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、トイ・プードル、マルチーズ、ケアン・テリア、ボストン・テリア、ペキニーズ、パグなど人気の小型種・短頭種に先天性水頭症としての発生が多く、大型犬には少ない傾向にあります。
猫でも、稀に発症します。
2007年12月03日
てんかん
原因てんかんは、何らかの原因で脳内に異常な電気的興奮が起こって、ニューロン(神経細胞)がショック状態になってしまうことで発症する脳の病気です。
犬では、100頭に1頭強の割合で発症すると言われています。
発作の原因は様々ですので、血液検査やレントゲン、CT・MRIなどの画像診断によって根本原因を見つけなければなりません。
脳の中に腫瘍が出来るなど、組織・器官の障害が原因となっている場合は「症候性てんかん」と言います。腫瘍などが原因の発症は、5歳以上の成犬に多くみられ、子犬の頃の発症であれば、ジステンパーなどのウィルス感染によって起こる脳炎や、先天性の奇形による脳の機能障害が原因である場合もあります。
検査等でそのような異常が発見できず、原因不明なものは「原発性(特発性)てんかん」と言います。
さらに、遺伝的要因で起こる場合もあるようです。
症状症状は様々で、体全体で激しくけいれんすることもあれば、手足や顔面だけがピクピクとけいれんすることもあります。また、体を硬直させて倒れる、意識を失って口から泡を吐く、無意識に失禁してしまう、などということもこともあります。
あるいは意識がないまま、、顔や手足を動かしたり、駆け回ったりすることもあります。
こうした「てんかん発作」を繰り返すのが「てんかん」という病気です。
発作の頻度も様々で、月に一度、数ヶ月に一度、一年に一度という場合もあれば、一日に何度も、という場合もあります。
一回の発作自体は、数十秒から数分でおさまることが多く、慌てて病院に行った頃には何事もなかったようにケロッとしているといったことが多いので、診断・治療の為には飼い主がパニックに陥らず、発作の様子を冷静に観察し医師にしっかり説明することが大切です。
治療法・予防法てんかんは、発作を繰り返すうちにその症状・頻度が悪化し、重症化すると死に至ることもあります。
そのため、なるべく初期の段階で適切な治療を始めることが大切になります。
原因が分かっている場合のてんかんなら、まず投薬と食餌療法での内科的治療や、血管奇形を根本的に治す外科治療などを行って原因を取り除く治療を行います。
原因不明の場合は、いかにてんかん発作を抑えるかが治療の基本となります。
抗てんかん薬を毎日服用させて、できるかぎり発作がおきないようにすることが大切です。抗てんかん薬を適切に投与することで、原発性てんかんのほぼ七割に発作抑制効果があると言われています。適切な薬剤を服用していても、はげしい発作をおこすケースでも、速効性の強い、より強力な薬剤を投与すれば、おさまる可能性が高くなります。
しかし、薬の効き具合や犬たちの代謝の具合によって、副作用やかえって発作の引き金となることもあるので、定期的に検査をしながら薬剤の量や種類を調整していかなければいけません。
かかりやすい犬てんかんを起こしやすいと言われている犬種
・コッカースパニエル ・ビーグル
・シェルティ ・シベリアンハスキー
・アイリッシュセッター ・ラブラドールレトリバー
・ゴールデンレトリバー ・キャバリア
・スプリンガースパニエル ・ワイヤーヘアーダックスフント など







